シンシアリー
『・・・民がいて、国は成立します。しかしその国を統治しているのは、上流階級に属する人々です。彼らが世界を動かし、世界の流行を作っています。お父様。近隣諸国の貴族の間では、絹の衣類を身に着けることで、家柄の高さを誇示すると聞きました。つまり、絹は上流階級の者であるという証であり、富の象徴でもあるのです。そして、貴族の婦人の間で、高価な絹製のドレスを着ることが、今の流行だそうです。まぁそのあたりのことについては、私よりも公妃様の方が、より詳しく存じていらっしゃると思いますが・・何でも、かの北の大国・ブルマン帝国のエリザベス・パノヴァ女帝が流行の火付け役だとか。これが何を意味するか、分かりますか?』