シンシアリー
この頃から、レティシア姫の異母弟・ヘルメースに、家庭教師がついた。
本来ならば7・8歳から勉強を始めさせるのだが、ヘルメースは「勉強なんかしたくない」の一点張りで結局何もせず、彼を溺愛する母親のアレッシア現公妃も、「ヘルメース自身にやる気がないのだから」とそれを容認し、年月が過ぎていったのである。
だが、ヘルメースはもう10歳。そろそろ本腰を入れて勉学に勤しむべきである。
いまだに勉強する気はなく、読書も大嫌いなヘルメースだが、「次期大公になるのなら、最低でも文字の読み書きくらいはできなければならない」というゼノス大公の一声に追い詰められた形で、渋々ではあるが、やっと勉強を始めることにした。
しかしヘルメースは、元々やる気がないため、哲学や地理、医学や歴史といった様々なジャンルの物事をどれだけ教えてもらっても、それらはなかなか自分の知識にならなかった。
進んで学ぼうとも覚えようともせず、したがって豊かな教養も身につかないヘルメースに教師は苛立ち、そんな教師に対してヘルメースは「貴様の教え方が悪いのだ!」と言い放つ。
結果、ヘルメースの家庭教師は、頻繁に変わった。
本来ならば7・8歳から勉強を始めさせるのだが、ヘルメースは「勉強なんかしたくない」の一点張りで結局何もせず、彼を溺愛する母親のアレッシア現公妃も、「ヘルメース自身にやる気がないのだから」とそれを容認し、年月が過ぎていったのである。
だが、ヘルメースはもう10歳。そろそろ本腰を入れて勉学に勤しむべきである。
いまだに勉強する気はなく、読書も大嫌いなヘルメースだが、「次期大公になるのなら、最低でも文字の読み書きくらいはできなければならない」というゼノス大公の一声に追い詰められた形で、渋々ではあるが、やっと勉強を始めることにした。
しかしヘルメースは、元々やる気がないため、哲学や地理、医学や歴史といった様々なジャンルの物事をどれだけ教えてもらっても、それらはなかなか自分の知識にならなかった。
進んで学ぼうとも覚えようともせず、したがって豊かな教養も身につかないヘルメースに教師は苛立ち、そんな教師に対してヘルメースは「貴様の教え方が悪いのだ!」と言い放つ。
結果、ヘルメースの家庭教師は、頻繁に変わった。