シンシアリー
盗られた羽根ペン
「ご子息の学業の程はいかがですか」
「うむ、どうにかやっているそうだ」とゼノス大公は言うと、軽くため息をついた。
「だがあの子は勉強自体が嫌いなようでな。やる気を引き出すのが大変だと教師たちは言っておる。全く・・。まだ学齢に達していない時に自ら勉強したいと申し出たレティシアとは大違いだな。どちらも私の子だというのに」
ゼノス大公は、ジンをグイッと煽ると、またため息をついた。
「それは育った環境、いや、状況が違うからでしょう。それに、人は皆、独自の個性を持っています。当然、考え方も違います」
「分かっておる。だが、あの子は次期大公になるというのに、その自覚があまりないように見受けられる」
「成程」
・・・確かに。ヘルメース公子は次期大公になるという真の意味が分かっていない・・・。
「うむ、どうにかやっているそうだ」とゼノス大公は言うと、軽くため息をついた。
「だがあの子は勉強自体が嫌いなようでな。やる気を引き出すのが大変だと教師たちは言っておる。全く・・。まだ学齢に達していない時に自ら勉強したいと申し出たレティシアとは大違いだな。どちらも私の子だというのに」
ゼノス大公は、ジンをグイッと煽ると、またため息をついた。
「それは育った環境、いや、状況が違うからでしょう。それに、人は皆、独自の個性を持っています。当然、考え方も違います」
「分かっておる。だが、あの子は次期大公になるというのに、その自覚があまりないように見受けられる」
「成程」
・・・確かに。ヘルメース公子は次期大公になるという真の意味が分かっていない・・・。