シンシアリー
・・・“レティシアが男子だったら”だと?何をふざけたことを!
あいつは女で、しかも一族にとっては役立たずな存在に過ぎないのに。父上の奴・・・!
ムカムカする想いをまき散らすように、廊下に唾を吐いたヘルメースは、それでもまだ、怒りが収まらないまま、ツカツカと歩き出した。
そして、ヘルメースが左に曲がった途端・・・前方からレティシアが歩いてきた。
ヘルメースの姿を見た途端、レティシアは反射的に体をこわばらせたが、それを悟られないように、少し俯き加減で、足早に歩いた。
しかし、二人がすれ違ったその瞬間。
ヘルメースは、レティシアの腕をグッと掴んだ。
あいつは女で、しかも一族にとっては役立たずな存在に過ぎないのに。父上の奴・・・!
ムカムカする想いをまき散らすように、廊下に唾を吐いたヘルメースは、それでもまだ、怒りが収まらないまま、ツカツカと歩き出した。
そして、ヘルメースが左に曲がった途端・・・前方からレティシアが歩いてきた。
ヘルメースの姿を見た途端、レティシアは反射的に体をこわばらせたが、それを悟られないように、少し俯き加減で、足早に歩いた。
しかし、二人がすれ違ったその瞬間。
ヘルメースは、レティシアの腕をグッと掴んだ。