シンシアリー
レティシアは、艶やかな桜色の唇を、白い歯でぐっと噛んだ。
そして「ごめんなさい、お父様」と呟くと、左手を二の腕から離し、意を決したように歩き出した。
ヘーゼル色の瞳は悲しみで潤んでいたが、レティシアは決して頭を下げることなく、前を向いて歩いた。
そんなレティシアの、優雅でありながら威厳に満ちた後姿をたまたま見かけたセイヴィアー騎士長官は、レティシアに声をかけようとしたが、結局思いとどまった。
「今は声をかけてほしくない」レティシアの雰囲気を、何となくではあるが察したのだ。
その代わり、セイヴィアーは心配な眼差しで、レティシアを見ていた。
そして「ごめんなさい、お父様」と呟くと、左手を二の腕から離し、意を決したように歩き出した。
ヘーゼル色の瞳は悲しみで潤んでいたが、レティシアは決して頭を下げることなく、前を向いて歩いた。
そんなレティシアの、優雅でありながら威厳に満ちた後姿をたまたま見かけたセイヴィアー騎士長官は、レティシアに声をかけようとしたが、結局思いとどまった。
「今は声をかけてほしくない」レティシアの雰囲気を、何となくではあるが察したのだ。
その代わり、セイヴィアーは心配な眼差しで、レティシアを見ていた。