シンシアリー
「ありがとう」
「それで、お相手はどなたなの?」
「俺の兄上だよ。次兄のジョエル」
「南部国境警備隊の方ね」
「ご名答ー。姫は二人がつき合っているって噂すら、聞いたことないのか?」
「え。全然」
「そうねぇ。姫は人の名前や地名を覚えるのはとっても得意だけれど、恋愛とか婚約方面って疎いから」
「縁がなくて」
顔に苦笑を浮かべていたレティシアだったが、ここに来る前、異母弟のヘルメースから意地悪な仕打ちを受けていただけに、普段よりもずっと気落ちしていた。
しかし、カレンの婚約ニュースを聞いた途端、それが全て帳消しになる程、嬉しさでいっぱいになった。
と、そのとき。
パブの扉が開いて、男性グループ4・5名がドヤドヤと入ってきた。
彼らの姿を見たカレンとナサニエルは、タイミング良く一緒に、彼らに向かって手を振った。
その中でも、ひときわ背が高くて逞しい体つきをした一人に、レティシアは視線が釘付けになった。
・・・ユーグ・・・!
「それで、お相手はどなたなの?」
「俺の兄上だよ。次兄のジョエル」
「南部国境警備隊の方ね」
「ご名答ー。姫は二人がつき合っているって噂すら、聞いたことないのか?」
「え。全然」
「そうねぇ。姫は人の名前や地名を覚えるのはとっても得意だけれど、恋愛とか婚約方面って疎いから」
「縁がなくて」
顔に苦笑を浮かべていたレティシアだったが、ここに来る前、異母弟のヘルメースから意地悪な仕打ちを受けていただけに、普段よりもずっと気落ちしていた。
しかし、カレンの婚約ニュースを聞いた途端、それが全て帳消しになる程、嬉しさでいっぱいになった。
と、そのとき。
パブの扉が開いて、男性グループ4・5名がドヤドヤと入ってきた。
彼らの姿を見たカレンとナサニエルは、タイミング良く一緒に、彼らに向かって手を振った。
その中でも、ひときわ背が高くて逞しい体つきをした一人に、レティシアは視線が釘付けになった。
・・・ユーグ・・・!