シンシアリー
「きっと私がまだ子どもだから」
「でも、姫は17歳ですよね」
「そうだけど・・・私はまだまだ精神的に子どもです」
「しかし貴族や王族といった高貴な家柄の方って、俺たちのような庶民よりもずっと若くに婚約なさる場合が多いでしょう?」
「政略結婚ですね。確かに、10歳にも満たないうちから婚約や形だけでも結婚までしてしまう風習の国もあるようですね。でも、アンドゥーラにはそういう前例はありません。幸い、お父様も公妃様も、私に縁談話が全く来ないからと言って嘆いたりしていないどころか、納得しているご様子だし。それに、進んで私を結婚をさせる気もないのは、多分、私のような奇人をもらいたがる御方はいないと思っているからじゃないかしら」
「き、奇人、って」
「何を言ってるんですか!姫様は。こんなに気品高く、魅力的な外見をされている御方であるのに」
「ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」
「姫様は全然分かってない」
「え?何か言った?ユーグ」と言いかけたレティシアを、ナサニエルが遮った。
「でも、姫は17歳ですよね」
「そうだけど・・・私はまだまだ精神的に子どもです」
「しかし貴族や王族といった高貴な家柄の方って、俺たちのような庶民よりもずっと若くに婚約なさる場合が多いでしょう?」
「政略結婚ですね。確かに、10歳にも満たないうちから婚約や形だけでも結婚までしてしまう風習の国もあるようですね。でも、アンドゥーラにはそういう前例はありません。幸い、お父様も公妃様も、私に縁談話が全く来ないからと言って嘆いたりしていないどころか、納得しているご様子だし。それに、進んで私を結婚をさせる気もないのは、多分、私のような奇人をもらいたがる御方はいないと思っているからじゃないかしら」
「き、奇人、って」
「何を言ってるんですか!姫様は。こんなに気品高く、魅力的な外見をされている御方であるのに」
「ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」
「姫様は全然分かってない」
「え?何か言った?ユーグ」と言いかけたレティシアを、ナサニエルが遮った。