シンシアリー
「色々な国を旅してみたい。この目で世界を見てみたいの。私自身は広い世界の中にいる、小さな一粒の砂のような存在でしかないのだから。そうすれば、今の・・“世相”に縛られる事無く、自由を感じることができるかもしれない、なんて思うこともあるのだけれど・・」

一国を統治する大公の姫であっても、女性故、政治に参加することができない。
いくら賢く、高い知能を国と民のために役立てようと行動を起こしても、どうしても制限がつく。限界がある。
アンドゥーラという国で暮らすことは、レティシアにとって、時に窮屈であり、酷なことなのかもしれないと分かるだけに、セイヴィアーは「いつか叶うと良いですね」としか言えなかった。

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