シンシアリー
被害者は、東部にある娼館で働いている、中年の娼婦である。
彼女は鋭利な刃物で心臓を一突きされ、腹の中の贓物をむき出しにされて、更に首を切られていた。
つまり、顔と体が離れた状態で遺体は発見されたのだ。
犯人は、それでも物足りなかったのか、体には性行の痕があり、腕や顔を殴られたのだろう、痣が見受けられた。
遺体が発見された前夜、彼女は「仕事の日」だったという。
ということは、仕事が終わって帰宅途中に、惨殺されたということか。
あまりにむごたらしい遺体の姿を見た騎士の何人かは、その場で吐き戻してしまった。

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