シンシアリー
「私はまだ・・・もっと、ベイルさんと一緒に過ごしたかった。私のことを見守ってほしかった。なのに・・何故、ベイルさんのような良い人が死ななければならないの?しかも、あんな惨い・・殺され方をされなければならないの!」
「姫様・・・」
しくしくと泣きだしたレティシアを、ユーグはそっと抱きしめて慰める。
・・・全くだ、父上。
何故貴方は、こんな形で姫様を悲しませるのですか?
母上や・・俺だって、もっと父上と一緒に過ごしたかったのに・・・。
「・・・ごめんなさいね、ユーグ。取り乱してしまって」
「そんなことはどうぞ、お気になさらずに。悲しいと思うことは、素直に表現されていいと、俺は思います」
「ううん・・・。私ばかりが悲しんでしまったら、あなたが悲しみを吐き出すことができないわ」
「いいんですよ。俺は男だし、姫様よりも年上ですから。俺は誰もいない所で一人、悲しむことができれば、それでいいんです」
「優しいのね、ユーグは」
「姫様こそ」
二人はしばしの間見つめ合った後、示し合わせたように二人一緒にセイヴィアーの墓の方へと視線を向けた。
「姫様・・・」
しくしくと泣きだしたレティシアを、ユーグはそっと抱きしめて慰める。
・・・全くだ、父上。
何故貴方は、こんな形で姫様を悲しませるのですか?
母上や・・俺だって、もっと父上と一緒に過ごしたかったのに・・・。
「・・・ごめんなさいね、ユーグ。取り乱してしまって」
「そんなことはどうぞ、お気になさらずに。悲しいと思うことは、素直に表現されていいと、俺は思います」
「ううん・・・。私ばかりが悲しんでしまったら、あなたが悲しみを吐き出すことができないわ」
「いいんですよ。俺は男だし、姫様よりも年上ですから。俺は誰もいない所で一人、悲しむことができれば、それでいいんです」
「優しいのね、ユーグは」
「姫様こそ」
二人はしばしの間見つめ合った後、示し合わせたように二人一緒にセイヴィアーの墓の方へと視線を向けた。