シンシアリー
「でもそれなら、単独よりも２・３人で行動した方が、より安全でしょう？相手は残虐な行為をする殺人鬼なのだから」
「もしその者が犯人ではなかったら、と父は考えたのかもしれません。疑惑の段階で捕まえたり尋問することは公平ではない。それに他の騎士たちに、変な先入観を抱かせるべきではないと考えたのでは」
「成程。ベイルさんならそのように考えるでしょうね」

まずは一人で確認する。
その者が犯人だと確証できれば、他の騎士たちに協力を仰ぐ―――。

「・・・犯人は、余程の強者なのでしょうね。あの屈強なベイルさんを、いとも簡単に・・」
「その点は俺にも分かりません。父程の優秀な騎士が、あれほどまでに無残な刺され方をされたことについては、どうしても合点がいかないんです」
「そうね・・」

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