シンシアリー
「だっ、だからっ。今後、“様”だってつけなくても良いのよ」
「それはできません」
「あら。どうして?」
「だって・・・今までだって貴女のことはずっと“様”づけで呼んでるから、俺にとってはその方が馴染んでるんです」
「そう。なんだかよく分からないけど・・・」
「俺の言うこと、信じてください。姫様」
「・・・あなたがそう言うのなら。分かったと言っておくわ」
・・・姫様をお護りすることは、俺の心からの願い。至上の喜び、なのだが・・・今後は、剣の腕を磨く以上に、自制心を鍛錬する必要があるな。まさに新たな試練だ・・・。
以前以上に二人の友人としての絆がより深くなり、距離が縮んだことを何となく実感したせいか。
ユーグの笑みを見て、いつも以上に鳩尾が疼いてしまったレティシアは、そのあたりに手を置きながら、「どうか顔が赤くなっていませんように」と心の中で願いつつ、それをごまかすように、わざとツンとすました表情をユーグに向けていた。
そんな姫様の表情も、とても可愛らしいとユーグが思っていることには、もちろんレティシアは気づいていなかった・・・。
「それはできません」
「あら。どうして?」
「だって・・・今までだって貴女のことはずっと“様”づけで呼んでるから、俺にとってはその方が馴染んでるんです」
「そう。なんだかよく分からないけど・・・」
「俺の言うこと、信じてください。姫様」
「・・・あなたがそう言うのなら。分かったと言っておくわ」
・・・姫様をお護りすることは、俺の心からの願い。至上の喜び、なのだが・・・今後は、剣の腕を磨く以上に、自制心を鍛錬する必要があるな。まさに新たな試練だ・・・。
以前以上に二人の友人としての絆がより深くなり、距離が縮んだことを何となく実感したせいか。
ユーグの笑みを見て、いつも以上に鳩尾が疼いてしまったレティシアは、そのあたりに手を置きながら、「どうか顔が赤くなっていませんように」と心の中で願いつつ、それをごまかすように、わざとツンとすました表情をユーグに向けていた。
そんな姫様の表情も、とても可愛らしいとユーグが思っていることには、もちろんレティシアは気づいていなかった・・・。