シンシアリー
その日の夜刻。
片手にランプ、そしてもう片方の手に本を持っていたレティシアは、公邸内にある図書室へ、本を戻しに行った。
レティシアが愛読していたのは、「ガガーリアン戦記」の第7巻である。
なぜか第6巻だけが図書室になかったため、続きが読めなかったのだが、それを友人のナサニエル・ラザラスが“ツテ”を通して手に入れたのを借りて、無事読むことができた。
つい最近起こった出来事のような気がするが、あれからすでに、5ヶ月近く経っていた。
その間に、レティシアが発案した養蚕業が軌道に乗り、アンドゥーラ公国は、その道では確固とした地位を築くことができた。
そしてレティシアは、ユーグと友人としての絆を、より深く、確実に紡いでいき・・・心から信頼し、父親のように―――肉親の父親よりも―――慕っていたセイヴィアーと、突然別れることになってしまった。
片手にランプ、そしてもう片方の手に本を持っていたレティシアは、公邸内にある図書室へ、本を戻しに行った。
レティシアが愛読していたのは、「ガガーリアン戦記」の第7巻である。
なぜか第6巻だけが図書室になかったため、続きが読めなかったのだが、それを友人のナサニエル・ラザラスが“ツテ”を通して手に入れたのを借りて、無事読むことができた。
つい最近起こった出来事のような気がするが、あれからすでに、5ヶ月近く経っていた。
その間に、レティシアが発案した養蚕業が軌道に乗り、アンドゥーラ公国は、その道では確固とした地位を築くことができた。
そしてレティシアは、ユーグと友人としての絆を、より深く、確実に紡いでいき・・・心から信頼し、父親のように―――肉親の父親よりも―――慕っていたセイヴィアーと、突然別れることになってしまった。