シンシアリー
ヘルメースが犯人だと仮定をして、心の奥底ではそれを納得している、というより納得できる。
しかし、心のどこかで、まだ認めたくないという気持ちが、レティシアの顔に現れていたのだろう。
自分のシャツを握りしめ、訴えるように見るレティシアの眼差しを、ユーグは「分かります」という気持ちでしかと受け止めながら、男らしい太く、スッと伸びた指で、しわを寄せているレティシアの眉間に優しく触れた。
レティシアは、指から伝わる優しい感触に、思わず目を閉じた。
「13歳という年齢は、成人とまでは行きませんが、青年の仲間入りは果たしています。つまり、自分で物事を考え、実行できる年齢だと言える。姫様にもそれはお分かりのはずでは?」
「・・・ええ」
「もしかすると、父もその点は油断してしまったのかもしれません。相手は13歳の子どもなのだからと。しかも父は、公子に剣術を教えていたと聞いてます。だから公子の“実力”をある程度は推し量っていたはず」
しかし、心のどこかで、まだ認めたくないという気持ちが、レティシアの顔に現れていたのだろう。
自分のシャツを握りしめ、訴えるように見るレティシアの眼差しを、ユーグは「分かります」という気持ちでしかと受け止めながら、男らしい太く、スッと伸びた指で、しわを寄せているレティシアの眉間に優しく触れた。
レティシアは、指から伝わる優しい感触に、思わず目を閉じた。
「13歳という年齢は、成人とまでは行きませんが、青年の仲間入りは果たしています。つまり、自分で物事を考え、実行できる年齢だと言える。姫様にもそれはお分かりのはずでは?」
「・・・ええ」
「もしかすると、父もその点は油断してしまったのかもしれません。相手は13歳の子どもなのだからと。しかも父は、公子に剣術を教えていたと聞いてます。だから公子の“実力”をある程度は推し量っていたはず」