シンシアリー
そして、レティシアが出発の日。
アンドゥーラの国民たちは姫の門出を祝うべく、公邸の門のところにたくさん――恐らく、国内の民のほとんど思われる程多くの民が――やって来ていた。
彼らは、レティシアが、ここより国土の広大な外国の国王と結婚し、王妃になるという事くらいしか知らない。
表面的な出世事だけを見て万歳を三唱しているのだ。
しかしレティシアは、それほど悲観してはいなかった。
むしろ、この縁談話を進めてくれたゼノス大公と、アレッシア現公妃に感謝をしているくらいだ。
どんな形にせよ、これでもう、ヘルメースから襲われる不安からは逃れることができたし、何より、アンドゥーラにずっと留まっているより、自由になれるのだから。
アンドゥーラの国民たちは姫の門出を祝うべく、公邸の門のところにたくさん――恐らく、国内の民のほとんど思われる程多くの民が――やって来ていた。
彼らは、レティシアが、ここより国土の広大な外国の国王と結婚し、王妃になるという事くらいしか知らない。
表面的な出世事だけを見て万歳を三唱しているのだ。
しかしレティシアは、それほど悲観してはいなかった。
むしろ、この縁談話を進めてくれたゼノス大公と、アレッシア現公妃に感謝をしているくらいだ。
どんな形にせよ、これでもう、ヘルメースから襲われる不安からは逃れることができたし、何より、アンドゥーラにずっと留まっているより、自由になれるのだから。