シンシアリー
「コンスタンティン・ミカエルズ国王は、つい最近、とは言っても半年程前に国王になったばかりなの」
「そうですか」
「それも、前国王と王妃―――つまりミカエルズ国王のご両親―――が、事故で急死したためだとと聞いているわ」
「そうでしたか。お可哀想に」

・・・ユーグったら。返答が少ないわ。それに、とても素っ気ない答え方・・。でも、このようなことをこれ以上どう答えたら良いのか、ユーグだって分からないわよね・・・。

レティシアだって以前、ユーグのいとこであるニンカ・ヴァレクストラ嬢とのことで、「とても素っ気ない」返答をしていたのに、すっかりそのことを忘れてしまっているレティシアは、何となく冷たいユーグに怯まずに、話を進めることにした。

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