シンシアリー
「僕が唯一の王位継承者だったから。でも、僕が国王になるのはまだまだ先の事だと思っていたから、国政の事等、僕は全然学んでいなかった」
「そうでしょうね・・」

レティシアの推測は、ほぼ的中していたというわけだ。

「だから僕よりも、クリストフ宰相が、とりあえずでも良いから国王に即位した方がいいんじゃないかって思ったんだ」
「何故ですか?」
「だって、彼はお父様が国王だった時から、宰相として国政に携わっていたから。少なくとも今の僕よりも現状を良く知っているという点では、僕より宰相の方が適任だよ」
「成程」

勿論、年齢的にも宰相の方が適していることは二人にも分かっているが、あえて言葉にしなかった。

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