シンシアリー
「こんにちは。姫様。それは・・新約聖書ですな」
「マタイによる福音書。とくに第1章21節を読んでいると、いつも涙が出てしまうわ。意味がわからないのに悲しくて。だから何度も読んでいるんだけど・・やっぱり悲しくて、わからない」
「何が分からないのですか?」
「・・・ねえ、ベイルさん。神様がこの世に存在するのなら、わたしはなぜ、女子として生まれてきたの?」
返答に窮するセイヴィアーに、レティシアはさらに続けた。
「もしわたしが男子だったら、お母様は死なずにすんだのに。どうして神様は、わたしにこんな仕打ちをするの?」
「姫様・・・。御自身が女子として生まれてきたばかりに、カサンドラ様が無理を重ねてお亡くなりになったと姫様が考えていらっしゃるのは、私にも分かります」
「マタイによる福音書。とくに第1章21節を読んでいると、いつも涙が出てしまうわ。意味がわからないのに悲しくて。だから何度も読んでいるんだけど・・やっぱり悲しくて、わからない」
「何が分からないのですか?」
「・・・ねえ、ベイルさん。神様がこの世に存在するのなら、わたしはなぜ、女子として生まれてきたの?」
返答に窮するセイヴィアーに、レティシアはさらに続けた。
「もしわたしが男子だったら、お母様は死なずにすんだのに。どうして神様は、わたしにこんな仕打ちをするの?」
「姫様・・・。御自身が女子として生まれてきたばかりに、カサンドラ様が無理を重ねてお亡くなりになったと姫様が考えていらっしゃるのは、私にも分かります」