シンシアリー
所詮小さく、世界には何の影響力も及ぼさないような外国から呼ばれた自分は、たとえ王妃という座を得ても、権限や権力まで得ることはないということも、レティシアには最初から想定していたことだ。
それでもエストゥーラへ行くと決めたのは、新たな自由を得るため。
そして、彼女の継母・アレッシアから、これ以上憎まれないため。
異母弟・ヘルメースに殺されないため、なるべく遠くの国へ身を移す必要性に駆られていた。
エストゥーラ王国の国王の許へ嫁いだことで、レティシアは新たな自由を得た・・かもしれないが、返って「王妃」という身分がついている分だけ、制限はあると言えるかもしれない。
一人で勝手に外出することはできないし、かといって政治に関わりたいと思っても、添え物の王妃に口を出す権利など、思ったとおり与えられてはいない。
結局のところ、レティシアは、国土が広くなった程度の自由しか得ていないのではないだろうか。
それでもエストゥーラへ行くと決めたのは、新たな自由を得るため。
そして、彼女の継母・アレッシアから、これ以上憎まれないため。
異母弟・ヘルメースに殺されないため、なるべく遠くの国へ身を移す必要性に駆られていた。
エストゥーラ王国の国王の許へ嫁いだことで、レティシアは新たな自由を得た・・かもしれないが、返って「王妃」という身分がついている分だけ、制限はあると言えるかもしれない。
一人で勝手に外出することはできないし、かといって政治に関わりたいと思っても、添え物の王妃に口を出す権利など、思ったとおり与えられてはいない。
結局のところ、レティシアは、国土が広くなった程度の自由しか得ていないのではないだろうか。