シンシアリー
レティシアにとっては初めて来た外国になるのだし、エストゥーラにいる知り合いを頼って来たのでもない。
新たな環境に戸惑うことも正直少なくなかったが、それでもレティシアは、そんな現状に決して嘆くことはなかった。
なぜなら、レティシアには心から信じている、頼もしいユーグが傍にいるからだ。
それに、少なくとももう、アレッシアからあれこれ小言を言われることもないし、ヘルメースに殺されるかもしれないと心配をする必要もなくなった、という点では自由を得たと思っている。

・・・それでも新たな心配事はできたけれど、だったらその心配事は、解決すれば良いだけの事・・・。

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