シンシアリー
意を決したレティシアは、まず自分の夫となったコンスタンティン国王の心を開くことに重点を置いた。
身長165cmのレティシアよりも10cm程背が低く、まだ声変わりもしていない10歳のコンスタンティンは、当然ながら、第二次性徴も迎えていない。
つまり、彼らが本当の意味で夫婦になる―――つまり体を交わらせる―――ことは、まだできないのだ。
コンスタンティンに対して、そういう類の“愛情”と“欲望”が全く湧いてこないレティシアにとっては、まさに好都合なことである。
まだ子どもであるコンスタンティンも、もちろんレティシアと同様の考えだから、まさに二人は「形だけの夫婦」なのだが、形だけでも結婚さえすればそれで良いと考えている周囲は、その後深く干渉はしてこないし(コンスタンティンが「父親」になる必要は、今のところ全くないから)、当事者である二人も、それでとても助かっている。
だが、本当の夫婦にはなれなくても、これから夫婦として共に生きていかなければならないのだから、わざわざ互いのことを嫌いになって対立する必要は、当然ながらない。
むしろ互いに協力し合い、友人という名の絆を深めていった方が、二人は“安全に”暮らしていけるのだ。
身長165cmのレティシアよりも10cm程背が低く、まだ声変わりもしていない10歳のコンスタンティンは、当然ながら、第二次性徴も迎えていない。
つまり、彼らが本当の意味で夫婦になる―――つまり体を交わらせる―――ことは、まだできないのだ。
コンスタンティンに対して、そういう類の“愛情”と“欲望”が全く湧いてこないレティシアにとっては、まさに好都合なことである。
まだ子どもであるコンスタンティンも、もちろんレティシアと同様の考えだから、まさに二人は「形だけの夫婦」なのだが、形だけでも結婚さえすればそれで良いと考えている周囲は、その後深く干渉はしてこないし(コンスタンティンが「父親」になる必要は、今のところ全くないから)、当事者である二人も、それでとても助かっている。
だが、本当の夫婦にはなれなくても、これから夫婦として共に生きていかなければならないのだから、わざわざ互いのことを嫌いになって対立する必要は、当然ながらない。
むしろ互いに協力し合い、友人という名の絆を深めていった方が、二人は“安全に”暮らしていけるのだ。