シンシアリー
「ねえ、レティシア」
「何でしょう、コースチャ」
「ユーグのこと、好き?」
「え・・え、っと、はい。好きですよ。あの・・・いつもユーグに護ってもらってばかりの私がこんなことを言うのはおかしいと、自分でも思うけれど、私はユーグのことを護りたいと思う、それくらい、ユーグはとても・・私にとって、とても大切な人です。騎士としての腕前も信じているし。ユーグは実際に、私を危機から救ってくれたこともあるんですよ」

何かを思い出しているように、遠くを見ているレティシアの瞳は少し涙で潤んでいたが、それを払うように、レティシアは輝く笑みを、コンスタンティンに向けた。

「でも、その出来事が無くても、私は心から信じています。ユーグは決して私を裏切らないと」
「そう・・」
「ですからコースチャ。あなたもユーグのことは信頼しても良いのですよ」

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