シンシアリー
プリヤンカが何か説明をしたのか、「まあっ!」と歓声を上げているレティシアは、とても驚いた顔をしている。
そんな表情も活き活きとしていながら可愛らしいとユーグは心の中で思いながら、「王妃様の念願の一つが叶って良かった」と呟いた。
二人ともレティシアの方に視線を向けたままだったが、それでも居心地の良さを二人とも感じていた。

「・・・其方はレティシアのことが好きか」
「嫌いな御方に忠誠を尽くすことは、私には難しいです」
「では、其方はレティシアのことが好きなのだな?」
「王妃様はとても・・・私の命より、とても大切な御方です」
「ぁ・・・」

・・・大切な人。大切な御方・・・。
ユーグは・・レティシアと同じことを言った。ということは・・・やはりそうか・・・。

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