シンシアリー
「イリーナ。今まで黙っててごめん」
「いえいえっ、そんな国王様に謝られるような・・って、なにが・・・?」
「・・・やっぱりレティシアの言うとおり、ギリギリまで黙っていて良かった。其方は嘘が・・いや、演技が下手のようだからな。さあイリーナ。着替えを手伝ってくれ。僕は久しぶりに表へ――議会に――出席する」
「は・・・はいっ!」

ベッドから降りたコンスタンティンがよろけることなくスッと立っているのを、驚きの表情で見ていたイリーナは、ハッと我に返り、急いでコンスタンティン国王の着替えを手伝い始めた。
そんな二人の姿を、レティシアは微笑ましく見ながら、「もう彼らの好き勝手にはさせないわ」と呟いた。

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