シンシアリー
「それに、グラス1杯に入れているくらいの微量では死に至りません。勿論すぐには、という意味で。これは服用し続けると、人間の体内では、毒として働いてしまうのです。デュ・ラスさん。貴女は国王様が始めて症状を訴えたあの日、ある方と話をしていましたね。立ち聞きするつもりは全くなかったのですが、“ようやく効き始めたわ”という貴女の声が、偶然聞こえてきました。それは、詳しく言い換えると、“ようやくレモネードに入れた毒が効き始めた”ということではないのですか?」
「言いがかりよ!」
「そうですか?貴女が6ヶ月前から国王様のためにレモネードを作り始めた、ということだったので、その少し前から貴女の行動を、私は徹底的に調べ直しました。その結果、貴女がカルワを密かに買ったことを突き止めたのです。カルワは毒薬にもなると、貴女は知っていたはず。毒薬としての使い方も。カルワは恐らく、貴女がいつも身につけているペンダントの中に入れているのでは?」
「こっ、この中には、亡くなった夫の骨が入っているのよっ。愛していたから、思い出に取っておこうと・・・」
「でしたら、その中身の全てを一気に服用しても構いませんよね?骨ですから、死に至ることはありません。ですが、もしそれがカルワだったら・・・」
「言いがかりよ!」
「そうですか?貴女が6ヶ月前から国王様のためにレモネードを作り始めた、ということだったので、その少し前から貴女の行動を、私は徹底的に調べ直しました。その結果、貴女がカルワを密かに買ったことを突き止めたのです。カルワは毒薬にもなると、貴女は知っていたはず。毒薬としての使い方も。カルワは恐らく、貴女がいつも身につけているペンダントの中に入れているのでは?」
「こっ、この中には、亡くなった夫の骨が入っているのよっ。愛していたから、思い出に取っておこうと・・・」
「でしたら、その中身の全てを一気に服用しても構いませんよね?骨ですから、死に至ることはありません。ですが、もしそれがカルワだったら・・・」