シンシアリー
「こらっ、ユーグッ」
「あ・・すみません。失礼しました、姫様」
「面白いから笑うことは、自然なふるまいだと思うわ。ところでユーグ。あなたも騎士なの?」
アンドゥーラ公国では、騎士は世襲制ではないものの、父親が騎士である場合、息子も騎士になる場合が多い。
加えて、騎士長官であるセイヴィアーと、息子のユーグの服装がとても似通っていたので、レティシア姫はそう聞いたのだが・・・。
「いえ。僕は10歳になった先月から訓練を始めたばかりで、今はまだ“騎士見習い”とも言えない身です」
「ふぅん。そう・・」
「でも僕は、鍛錬を重ねて必ず立派な騎士になります」
「なぜ?」
「え?」
「どうしてユーグは立派な騎士になりたいの?」
「それは・・・護りたいからです。アンドゥーラという国と、ここで暮らす民、何より愛する家族を護りたいから」
「だから、立派な騎士になりたいの?」
「はい」
二人はしばしの間、見つめ合っていたが、不意にレティシア姫が微笑んだ。
「あ・・すみません。失礼しました、姫様」
「面白いから笑うことは、自然なふるまいだと思うわ。ところでユーグ。あなたも騎士なの?」
アンドゥーラ公国では、騎士は世襲制ではないものの、父親が騎士である場合、息子も騎士になる場合が多い。
加えて、騎士長官であるセイヴィアーと、息子のユーグの服装がとても似通っていたので、レティシア姫はそう聞いたのだが・・・。
「いえ。僕は10歳になった先月から訓練を始めたばかりで、今はまだ“騎士見習い”とも言えない身です」
「ふぅん。そう・・」
「でも僕は、鍛錬を重ねて必ず立派な騎士になります」
「なぜ?」
「え?」
「どうしてユーグは立派な騎士になりたいの?」
「それは・・・護りたいからです。アンドゥーラという国と、ここで暮らす民、何より愛する家族を護りたいから」
「だから、立派な騎士になりたいの?」
「はい」
二人はしばしの間、見つめ合っていたが、不意にレティシア姫が微笑んだ。