シンシアリー
「少なくとも私は一度も、貴女が“国王様”と呼んでいるところを見聞きしたことがありません」
「そ、それは、その・・名前の方が、わたしとしては、呼び慣れていますから・・」
「それでも、貴女がコンスタンティン様を国王に即位させたも同然なのですよね?コンスタンティン様を国王にすることに、それだけ熱意があったと思うのに、本当は、コンスタンティン様が国王であることを、ある意味認めていない。そうではありませんか?」
「そんなこと・・」
「本当は、現状を何も知らない王子を国王にした暁には、何でも自分の言いなりに操る、人形の国王が、あなた方には必要だった。そうでしょう?デュ・ラスさん。それからクリストフ宰相」
それまでレティシア王妃の「糾弾」が終わったと、気を緩めていたクリストフ宰相は、いきなり自分の名が出されたことに、そして、王妃のヘーゼル色の瞳が、いつの間にか自分の方へ向けられていることに対して、飛び上がらんばかりに驚いた。
「そ、それは、その・・名前の方が、わたしとしては、呼び慣れていますから・・」
「それでも、貴女がコンスタンティン様を国王に即位させたも同然なのですよね?コンスタンティン様を国王にすることに、それだけ熱意があったと思うのに、本当は、コンスタンティン様が国王であることを、ある意味認めていない。そうではありませんか?」
「そんなこと・・」
「本当は、現状を何も知らない王子を国王にした暁には、何でも自分の言いなりに操る、人形の国王が、あなた方には必要だった。そうでしょう?デュ・ラスさん。それからクリストフ宰相」
それまでレティシア王妃の「糾弾」が終わったと、気を緩めていたクリストフ宰相は、いきなり自分の名が出されたことに、そして、王妃のヘーゼル色の瞳が、いつの間にか自分の方へ向けられていることに対して、飛び上がらんばかりに驚いた。