シンシアリー
「なな・・何ですか。今度は私ですか!」

焦りをムキな口調でごまかそうと躍起になっているクリストフ宰相に、レティシアは、対照的に落ち着いた態度と冷静な口調で「時に、思いがけない言葉から、真実が露見する場合があります」と言った。

「クリストフ宰相。貴方とデュ・ラスさんは、いつからかは存じませんが、特別な関係、つまり恋人・・いえ、貴方は既婚者ですから、愛人関係と言った方が良いのかしら。とにかく、あなた方はそのような関係なのですね」
「失敬な!なにを言ってる!」

< 332 / 365 >

この作品をシェア

pagetop