シンシアリー
「ありがとうユーグ」
「え。何が、でしょうか」
「あなたのやるべきことを聞いたおかげで、わたしもますます、やるべきことをする気になれたわ」

・・・驚いたな。
見た目は5歳の子どもそのものだというのに。父上が言っていたとおり、姫様は本当に賢いお方だ・・・。

「それは・・・良かったです」
「姫様。そろそろ中に」
「そうね。それじゃあ、ユーグ。あなたとお話ができて、本当に楽しかったわ」
「僕も楽しかったです」
「また会える?」
「残念ながら。僕は明日からまた訓練所に戻るので、そう頻繁に姫様にお会いすることはできないのです」
「そぅ」
「5年」
「え?」

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