シンシアリー
「では契約書にサインを」とレティシアが言って、用意していた紙2枚と、1本の羽根ペンを、シャハール国王に渡した。
シャハール国王は、2枚の契約書の内容をザッと読み終えると、羽根ペンで自分の名を書いた。
そして1枚を、コンスタンティンに渡した。

「私が今、ラビアラの民を大切にしているように、エストゥーラの民も大切にすることを約束する!奴隷は勿論禁止だ!」

よく通る低い声で、高らかに宣言したシャハール国王を、エストゥーラの新たな統治者と認める意味で、その場にいる全員が拍手をした。

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