シンシアリー

その後もう一つ、決定された事柄がある。
それは・・・。

「レティシア」
「はい、コンスタンティン様」
「貴女との結婚を無効にする」
「・・・え・・・？」

レティシアは、ヘーゼル色の瞳を見開いて、幼いコンスタンティンを見つめた。

「だって、僕たちは最初からずっと“結婚している”と言える状態じゃないだろう？だから“離婚”以前の“無効”と言うべきだと・・」
「つまり、この結婚は、最初から無かった事にすると」
「うん。それに、この政略結婚はもう意味がなくなった。だから・・・これが、僕が貴女へ与えることができる唯一の事だと思うんだ。レティシア、自由になって」
「コン・・コースチャ・・・！」