シンシアリー
「そうね。でも、今が旅立つのに一番最適な時だと思うの。だから・・止めてくれてどうもありがとう、コースチャ」
「レティシア・・・。僕たち、離れ離れになっても、友人だよね?」
「もちろん!それに、ローマニアくらいの距離なら、また会うこともできるわ」
「うん」と言ったコンスタンティンの目には、涙が浮かんでいた。

「シャハール国王。コースチャのこと、よろしくおねがいします」
「私が養父となり、コースチャの世話をする。友人であったコースチャの両親に代わり、たくさん愛情をかけて育てると約束しよう」
「だから僕のことは心配要らないよ」
「良かった・・・」と呟いたレティシアは、コンスタンティンの頬に優しく触れた。

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