シンシアリー
『乗馬?』
『はい』
『そうか・・・。しかし・・・おまえは女子だぞ』
『分かっています。私は騎士になりたいわけではありません。ただ、一人で馬に乗れるようになりたいだけなのです』
『それでもなぁ・・。おまえはまだ幼い。“危なくない”とは言い切れぬだろう』
『あら大公様。折角この子が馬に乗れるようになりたいと言っているのですから、習わせてあげてもいいじゃありませんか。それに、馬に乗れるということは、高貴な家柄の子であるという証の一つになりますわ』
レティシア姫は、家柄を誇示したいから乗馬の練習がしたいのでは、もちろんなかったのだが、継母のアレッシアが賛成してくれれば、父親のゼノスは必ず「良し」と言ってくれると分かっていたので、その部分はあえて反論せず、目を伏せたまま黙っていた。
『はい』
『そうか・・・。しかし・・・おまえは女子だぞ』
『分かっています。私は騎士になりたいわけではありません。ただ、一人で馬に乗れるようになりたいだけなのです』
『それでもなぁ・・。おまえはまだ幼い。“危なくない”とは言い切れぬだろう』
『あら大公様。折角この子が馬に乗れるようになりたいと言っているのですから、習わせてあげてもいいじゃありませんか。それに、馬に乗れるということは、高貴な家柄の子であるという証の一つになりますわ』
レティシア姫は、家柄を誇示したいから乗馬の練習がしたいのでは、もちろんなかったのだが、継母のアレッシアが賛成してくれれば、父親のゼノスは必ず「良し」と言ってくれると分かっていたので、その部分はあえて反論せず、目を伏せたまま黙っていた。