シンシアリー
その日、公邸に帰ったレティシアは、早速思いついたことをゼノス大公に言った。
「何っ?“病人を収容する医療施設”だと?」
「はい。医学を学び始めてから、漠然とですが思っていたことがありました。病人を収容する医療施設があればいいのにと。その施設には、病人の症状に合わせて治療を施す人と、看護をする人がいるんです」
「だがレティシアよ。そんな建物をどこに作ると言うのだ?」
「まず手始めに、南西部にある小屋を使われてはいかがでしょう」
「小屋?・・はて、そんな建物あったかな」
「はい。今日授業の時に見ました。18年前に起こった国境付近での小競り合いで、怪我人を収容するために作られた小屋だろうと先生はおっしゃっていました」
「ああ、あれか。争い後、取り壊されたと思っていたが・・まだあったのだな」
「何っ?“病人を収容する医療施設”だと?」
「はい。医学を学び始めてから、漠然とですが思っていたことがありました。病人を収容する医療施設があればいいのにと。その施設には、病人の症状に合わせて治療を施す人と、看護をする人がいるんです」
「だがレティシアよ。そんな建物をどこに作ると言うのだ?」
「まず手始めに、南西部にある小屋を使われてはいかがでしょう」
「小屋?・・はて、そんな建物あったかな」
「はい。今日授業の時に見ました。18年前に起こった国境付近での小競り合いで、怪我人を収容するために作られた小屋だろうと先生はおっしゃっていました」
「ああ、あれか。争い後、取り壊されたと思っていたが・・まだあったのだな」