シンシアリー
「もしかしてあなた、次期君主の座を狙ってるんじゃ・・」
「いいえ、公妃様。私は将来、君主になるつもりは全くありませんし、女子の私が君主になれないことも分かっています」
「そうかしら」
「どういう意味です?」
「だって。修辞学には将来貴族院議員になる子息たちが在籍してるんでしょう?そこに通って今から彼らと“仲良く”しておけば、何年か後になって“やっぱり私が君主として適任なのです”なんて主張がし易くなる。彼らの後押しも得易い。そうじゃなくって?」
「そんなことは考えてもいませんでした」と言うレティシアを完全に無視したアレッシアは、「大公様」と甘い声で言った。

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