シンシアリー
「あら。あの人たちは・・」
「騎士？」
「いや。あの服は国境警備隊でしょう」
「そういえば今日は、南の警備隊がここで訓練をしているのではなかったかな」
「ああそうか。ここは南に近いですよね」

レティシアたちの目は、自然と警備隊の訓練を追っていた。
警備隊の騎士たちは、ただいま弓矢で遠方の“敵”を射る練習をしているようだ。
だがこれは練習なので、“敵”は人ではなく、森の中の樹につけた“印”である。

騎士たちは一人ずつ、弓矢を引いて印に命中させる練習をしている。
馬に乗って全速力で駆けながら弓矢を引く上、印はそれほど大きくないので、命中させることは難しいだろう。
今のところ、実際に命中させたのは、まだ一人もいないようだ。

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