シンシアリー
恋のはじまり
「ユーグは確か、北部の国境警備隊に所属しているはずじゃ・・」
「南部に移ったんですよ」
「本当!?いつ!」
勢い込んで聞いてくるレティシア姫をなだめるように、ナサニエルはニッコリと微笑んだ。
「2年くらい前になるんじゃないかな。騎士としての彼の腕を見込んで、俺の兄が南部(ここ)の隊に引き抜いたから、間違いありませんよ、姫」
「そぅだったの」
“ユーグらしい”その男性は、徐々に馬のスピードを上げていく。
同時に、“的”からどんどん遠ざかる。
背にかけている筒から矢を取り出した彼は、姿勢も良く、重心にブレがない。
乗っている馬も、従順に彼の言う通りに動いて(駆けて)いるように見える。
「姫は彼のことをご存知で・・あぁ、姫は彼の父親のベイル騎士長官と懇意にしているから、もちろんご存知ですよね。・・・姫?」
「・・・ユーグとは会ったことがあるわ。でも、彼の近況は全く知らなかった」
「南部に移ったんですよ」
「本当!?いつ!」
勢い込んで聞いてくるレティシア姫をなだめるように、ナサニエルはニッコリと微笑んだ。
「2年くらい前になるんじゃないかな。騎士としての彼の腕を見込んで、俺の兄が南部(ここ)の隊に引き抜いたから、間違いありませんよ、姫」
「そぅだったの」
“ユーグらしい”その男性は、徐々に馬のスピードを上げていく。
同時に、“的”からどんどん遠ざかる。
背にかけている筒から矢を取り出した彼は、姿勢も良く、重心にブレがない。
乗っている馬も、従順に彼の言う通りに動いて(駆けて)いるように見える。
「姫は彼のことをご存知で・・あぁ、姫は彼の父親のベイル騎士長官と懇意にしているから、もちろんご存知ですよね。・・・姫?」
「・・・ユーグとは会ったことがあるわ。でも、彼の近況は全く知らなかった」