シンシアリー
レティシア姫に向かって微笑むユーグは、彼が10歳の頃より、優に30センチは背が伸びているし、姫が4年前に見たときよりも、筋肉がついた、たくましい体格に様変わりしている。日ごろの練習に加えて、自ら訓練を重ねた努力の結果だろうと、姫にも容易に察しがつく。
「あなたは今、南部の警備隊にいるんですって?」
「そうです。2年程前からなので、ちょうど北部にある医学学校へ通い始めた姫様とは、入れ違いになってしまいました」
「だからあなたとは会わなかったのね」
「姫様は今、論理学の勉強に励んでいると父から聞きましたよ。だから近いうちに会えるかもしれないと思っていました」と言ったユーグは、少し間を置いて「会えて良かった」と呟いた。
「あなたは今、南部の警備隊にいるんですって?」
「そうです。2年程前からなので、ちょうど北部にある医学学校へ通い始めた姫様とは、入れ違いになってしまいました」
「だからあなたとは会わなかったのね」
「姫様は今、論理学の勉強に励んでいると父から聞きましたよ。だから近いうちに会えるかもしれないと思っていました」と言ったユーグは、少し間を置いて「会えて良かった」と呟いた。