こんぷれっくすシンデレラ

ここに就職して、もう四年目になる

進学校に入学したにも関わらず
進学を辞め就職の道を選んだ私には
あれこれと就職先を選んでいる場合ではなかった

この声コンプレックスと人見知りなどなどあり、なるべく接客業は避けたかったのだが、

一人暮らしするお金も無いし、親には迷惑かけたくないから安定したお給料が貰える実家から近い所を探していた

そして見つけた、この薬局。

歩いても実家から15分くらいだし、研修に行った時の店長も優しくて
私の声も気にならないみたいだった

ただ、レジ打ちや接客に不安はあったけど
みんなはどんどん進路を決めていた時期でもあったし、
私にはもうここしかないと思った


最初にレジに入った時は、
「もうちょっとハキハキ話そうね」
と店長に注意されたり、
お客さんにも珍しそうな目で見られていたけれど

四年にもなると、もう仕事の時は声は気にせず割り切って接客している

そのせいか
「最近接客が丁寧になったね」と
店長からも褒められるようにもなった

このコンプレックス街道から抜け出せた訳ではないけど、仕事の時だけは一生懸命に話した

絶対クビにはなりたくない!!

正直それが本音だった


< 4 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop