君の彼女を僕にください
Chapter1

出会い


「ちょっと、蒼!!(ソラ)」


教室に入るなりカバンも置かず、真っ先に私のところに来る琴美(コトミ)。


「もう、うるさいから!!」


そう言って、顔をしかめる杏(アン)を気にもとめず、私の方にグイッと顔を近づけてきた。

目を見開きながら来るもんだから、ちょっと怖いんだけど。


「昨日のLINE!!!どういうこと?!」


あまりの琴美の勢いに押されて、何にも言えなくなっちゃう。


「えっ……あの…」


言葉に詰まる私の代わりに返事をする杏。


「そのまんまじゃん?ってか、ちょっと落ち着きなってば!!」


「だってだってだってぇぇぇ〜〜〜!!」


私の手を取りながら、上下にブンブンと揺らしてくる。

ちょっ…酔うんですけど!!


「もぉぉぉぉ!!蒼、おめでとう。めっちゃ嬉しい!!!!!」


相変わらずテンションMAXのまま抱きついてきた。


「ありがとう」


そう言って、ぎゅっと琴美を抱きしめ返す。


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