お前の涙、俺だけに見せて


それから一ヶ月、麗と野澤君は見かけるたびに勉強していた。



そして、期末考査。


また中間試験のときと同じように、私たちのクラスに集まる。



「嵐士が欠点なくして、二桁だったら、ダブルデートね。せーの!」



今回も麗の掛け声で見せ合う。



「やったー!」



その瞬間、麗と嵐士が抱き合って喜んだ。



野澤君の結果は、欠点なしの九十九位。


……ギリギリセーフ。



「てか、花ちゃんも麗も上がってんじゃん」



私は八位に、麗は十位になっていた。


人に教えることで、自分の成績を上げたようなものだけどね。



そして、約束通り私たちはダブルデートをすることになった。



「花、出れるか?」



自分の部屋にある全身鏡の前で、服装チェックをしてたら、千秋がドアをノックした。



「うん!」



そばに置いていた手提げカバンを手にし、ドアを開けた。



そして、私の目に入ったのは、想像以上のイケメンさん。

< 100 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop