お前の涙、俺だけに見せて
それから一ヶ月、麗と野澤君は見かけるたびに勉強していた。
そして、期末考査。
また中間試験のときと同じように、私たちのクラスに集まる。
「嵐士が欠点なくして、二桁だったら、ダブルデートね。せーの!」
今回も麗の掛け声で見せ合う。
「やったー!」
その瞬間、麗と嵐士が抱き合って喜んだ。
野澤君の結果は、欠点なしの九十九位。
……ギリギリセーフ。
「てか、花ちゃんも麗も上がってんじゃん」
私は八位に、麗は十位になっていた。
人に教えることで、自分の成績を上げたようなものだけどね。
そして、約束通り私たちはダブルデートをすることになった。
「花、出れるか?」
自分の部屋にある全身鏡の前で、服装チェックをしてたら、千秋がドアをノックした。
「うん!」
そばに置いていた手提げカバンを手にし、ドアを開けた。
そして、私の目に入ったのは、想像以上のイケメンさん。