お前の涙、俺だけに見せて
「私、千秋とデートするの、楽しみにしてたんだよ?」
「……冗談だよ」
そう返した千秋は、顔を真っ赤にしていた。
「やっぱ、遊園地といえばジェットコースターだよね!」
先頭を切ったのは、誰よりも元気な麗だった。
ジェットコースターか……
私、乗れたっけ……?
「花、大丈夫か?顔色悪いぞ?」
すると、千秋が歩きながら私の顔を覗き込んできた。
そんなことされたら、一気に顔色よくなるの、わからないかな……
「大丈夫だよ!」
私は自分に言い聞かせるように言い、麗の背中を追う。
そして、ジェットコースターから降りて。
「……気持ち悪い」
やっぱりダメでした。
私は近くにあったベンチに横たわる。
「ごめんね、花ー。無理やり付き合わせて」