お前の涙、俺だけに見せて
episode.6
週が開けて、今日は月曜日。
麗の機嫌はもう治ってて、いつも通り野澤君に引っ付いていた。
そして放課後、千秋と昇降口に向かう。
「あ、ノート提出し忘れてた」
その途中、千秋は足を止めた。
ノート……
あ、英語の自由作文が今日までだったっけ。
「出してきなよ。私、待ってるし」
「いや、先に帰ってろ。すぐ追いつく」
「はーい」
と、私が返事し終える前に千秋は職員室に向かった。
私は靴に履き替え、校門に足を進めた。
「君、可愛いね!」
「誰か待ってんの?」
えーと。
校門で男子が円になってるんだけど、その真ん中にいるのは椛さん。
なんだろう、この漫画的な展開。
たぶん、千秋のこと、待ってるんだろうな……
「俺らと遊ぼーぜ!」
ある男子生徒が、椛さんの腕を掴んだ。
「あの、困ります!」