お前の涙、俺だけに見せて
午前を過ごし、徐々に体がだるくなってきた。
「花、大丈夫?」
昼休み、遊びに来ていた麗が心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「大丈夫だよ」
心配かけたくなくて、私は笑顔を見せる。
それなのに、千秋は黙ってまた、私の額に手を当てた。
「保健室行きだ」
……そう言うと思いましたよ。
「なんで保健室?」
麗が不思議そうに、教室を出ようとする千秋の背中に問いかけた。
「こいつ、朝微熱だったんだよ」
そしてあっさりバラす、千秋。
そんなふうに言ったら……
「え、大丈夫なの!?」
こうなるでしょうよ。
「少し休めば大丈夫だから」
「そう……無理しちゃダメだからね!」
私は麗の言葉を笑顔で受け、教室をあとにした。
そして、保健室で体温を測ると、朝より上がっていた。
「だるいなら帰る?」