お前の涙、俺だけに見せて
食べ終えた瞬間、私はお姉さんに背中を押された。
よくわからないまま、部屋に入る。
「さて、花ちゃん。悩んでること話してみな?」
「え?」
お姉さんはベッドに座りながら聞いてきた。
そんな話題とは予想してなくて、間抜けな声が出てしまった。
「ほらほら」
お姉さんならいいかな、と思い、私はお父さんのことを話した。
そして、手紙も見せる。
「なるほどねー。花ちゃんはどうしたいの?」
「……わかりません」
ていうか、それがわかれば悩んだりしてません。
「じゃあ……花ちゃんは千秋と離れて、お父さんと暮らしたい?」
「それは……」
「考えない。直感でどうぞ」
直感……
私の頭に浮かんだ答えなんて、決まってる。
「私は千秋と離れたくないです」
「うん、答え出たね」
本当だ……
お姉さん、すごい!
こんなあっさり答えが出るなんて……