お前の涙、俺だけに見せて
友達との寄り道はまたお預けかあ……
「病院のコンビニで問題ないなら、そこで奢るけど?」
私があまりにも落ち込んだせいか、三神君は妥協案を出してくれた。
「ない!ありがとう、三神君」
「そうと決まれば、さっさと病院に行くか。カバン取ってくるから、先に下駄箱に行っててくれ」
「うん!」
二日連続で誰かと一緒に帰れるなんて、嬉しすぎ!
気付けば顔がにやけてしまう。
「ちょっと」
ローファーに足を入れようとすると、三人の女子に囲まれた。
中心にいる子は見覚えがある。
朝、弁当を蹴った人だ。
「ついて来て」
怖い。
いつもの私なら、大人しくついて行くと思う。
でも、今は行きたくない。
三神君との約束があるし、できるだけ長くお母さんとの時間を過ごしたい。
こんな人たちと、無駄な時間を過ごしてる場合じゃないんだ。
「……ごめんなさい、できない」