お前の涙、俺だけに見せて
episode.2
三神君の家に居候すると決めて、一週間後には私の荷物は全て三神君の家に運ばれた。
大家さんに、三神君の家でお世話になるってことを話したら、安心したような顔をされた。
私の次の家が決まったことか、私が素直に出ていってくれたことにたいしてかは、わからないけどね。
「これで全部か?」
三神君が私の部屋に段ボールを運びいれながら聞いてきた。
「うん」
私は軽い荷物を持って三神君の後ろを歩く。
「それにしても……やっぱりすごい部屋だね」
とりあえず荷物を運びいれたから、休憩も兼ねて、リビングで部屋を見渡す。
引っ越してくる前に一度見せてもらったけど、何度見ても圧倒される。
三神君が住んでいる家は、どう見ても一人暮らしをするには広すぎる。
おまけに、高校生が住むには豪華すぎる。
三神君って、実はお金持ちの息子なのかな。
「もともと俺の姉貴と元カレが住んでたんだよ。んで、クソ野郎と住んでいたところに住み続けられるかってことで、実家に戻ってきたのが俺が高校生になってすぐ」
へえ、お姉さんの……