お前の涙、俺だけに見せて
「きゃっ」
私は三神君に被さるようにバランスを崩した。
「ちょっ、三神君!」
このままお姉さんでも来たら、三神君殺される……
って、そうじゃなくて。
なに、この体勢!
「三神君!起きて!」
なんとかこの状況から抜け出したくて、私は必死に三神君に呼びかける。
でも、起きる気配なし。
「あと少し寝かせ……」
「るわけないでしょ、このクソガキ!」
三神君の寝言を遮ったお姉さんは、三神君から私を引き離した。
「寝とぼけるのもいい加減にしろ!」
お姉さんの声で目が覚めたのか、三神君は体を起こすと、顔が青くなっていった。
「ご、ごめん……西野」
「う、ううん!大丈夫だよ」
なんて言ったけど、大丈夫なわけない。
動悸がまだ収まらない。