お前の涙、俺だけに見せて


「花ちゃんは朝食、終えた?」


「はい。皆さんが起きてくる前に」



ついいつもの癖で、お皿に乗せる前に食べたことは言わないでおこう。



一人だったから、朝はお皿を洗う気になれなくて、作ってそのまま食べてたんだよね。



あ、もちろん、みんなのをお皿にわけて、直接食べたからね?



「そう。だったら、準備しようか」



お姉さんの部屋に入り、制服に着替える。


お姉さんはお姉さんで、カジュアルな服に着替えていた。


女の私でさえ、見とれてしまうくらい、綺麗。



「花ちゃん……それで行く気?」



私からしてみればいつも通りの格好なのに、お姉さんはありえないという目で見てくる。



「変ですか?」



私の通う学校はセーラーだから、着崩すのはほぼ不可能。


できるとしたら、スカーフをどうにかするくらい。



で、髪は二つ結び。


化粧はもちろんなし。



……あれ、私、地味?


まあ、知ってはいたけど……



「まだ時間あるよね……花ちゃん、ここに座って」

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