お前の涙、俺だけに見せて


三神君……



あなたは鈍感君ですか。


というか、そう呼ばせてください!



もう私、おかしくなったよ……



「あと、今日の西野、可愛いよ」



自己嫌悪に陥り、うつむいていたのに、勢いよく顔を上げた。


そこには顔を真っ赤にしている三神君。



もしかして、朝言いかけたのって、このこと……?



「……なにか言えよ」


「え、あ、ありがとう……?」



ねえ、三神君。


私、どんどん三神君に依存しそうです。



なんて、まだ言えないけど。



「西野、今日は一緒に帰るぞ」


「え?なんで?」



帰る理由、なくない?



「迷子になりたいなら、一人で帰れば?」


「嫌だ!」



迷子になんてなりたくないし、せっかくのチャンス、逃したくない!



そう思うと、つい大声になってしまった。


三神君は声を殺して笑っている。

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